プロジェクトの目的と背景
大屋根リングを、
まるっと全残し。
世界が驚いた、
“水の都”大阪に生まれた奇跡のリング
全長2km、直径615m、高さ20m超。
見上げた瞬間、誰もがそのスケールと美しさに圧倒される、
世界最大の木造リングが、大阪の空に浮かんでいます。
けれど、この壮観は“ぐるり一周”つながっているからこそ生まれるものです。
一部でも欠ければ、あの圧倒的な景色は二度と戻りません。
「大屋根リング」を、全残ししませんか?

発起人のメッセージ
「リングの向こう」の
景色を残したい
私が大屋根リングを
全保存したいと思う理由
この手紙を通して、私が大屋根リングに感じた思いと、なぜ全体を保存してほしいのかをお伝えします。
私の高校は万博会場のすぐ近くにあります。放課後、海辺の土手に立つと遠くに大屋根リングが見えます。
最初は「ドームくらいの大きさかな」と思いながら眺めていましたが、ある日クレーンが入り、リングが少しずつ形になっていく過程を友達と見守っていました。
そんな私ですが受験生のため、万博には一度も行かずに終えるはずでした。
ところが開幕前のテストランに偶然当選し、一度だけ家族と訪れてみることにしたのです。
ゲートをくぐった瞬間、言葉が出ませんでした。
目の前に広がっていたのは想像をはるかに超えるスケールのリング。
高さ20メートルの木の屋根に包まれると、木の温もりが体全体に染み渡り、なんとも言えない気持ちになりました。そしてそのリングの上に登った瞬間、私の中で、何かが変わりました。
そこから見えた景色は、18年間生きてきて、初めて出会うものでした。
360度見渡す限りの空。600メートル先に小さく動く人影。そして、何も遮るものがない空と、海に包まれる感覚。「ドーム」くらいなんて思っていましたが、実際はまるで町を囲む巨大なデッキに立っているようでした。
大阪という都会の中に、こんなにも開けた景色があるなんて、驚きと感動で胸がいっぱいになりました。
受験を理由に来ないままでいたら、この景色を知らないままだったと思うと、正直ちょっと怖くなりました。
そのとき私の中に自然と湧いてきたのが「このリングを残してほしい」という気持ちでした。
会場の中にはギネス世界記録の盾もありました。新築の建物なのに、すでに世界が認める価値がある。
これだけのものを作った人たちの努力や、ここまで仕上げた大阪のすごさに心を動かされました。
そして思ったんです。「作る」という最難関を越えた今こそ、「残す」という次の使命があるのではないか。そんな思いが自然と湧きました。
写真部員の私は、ファインダー越しに未来の風景を思い浮かべていました。公園になるかな。ライブ会場になるかな。緑の中で遊ぶ子どもたちやピクニックをするカップル、ライブを楽しむ人たちで賑わうのかな。そして何十年か後、自分の子供を連れてきて「ここで昔、万博があったんだよ」と語る自分の姿も想像しました。
けれどもう一つの未来も想像しました。
もしリングが「一部だけ」保存され残りが解体されたら、リングの上に立っても、向こう側に人影を探すことはできないでしょう。
600メートル先にいる人と視線が合う、その距離感とスケールこそが私を感動させたのに、部分保存ではその体験自体が失われてしまいます。将来子供に「ここは昔、2kmのリングが一周してたんだよ」と語っても、子供が私と同じ感動を味わうことはできないでしょう。
リングは一周してこそリング。
スケールの大きさ、視界の広がり、空とつながる感覚、 それは“輪”として繋がっているからこそ味わえる体験です。
切り取られた断片に、この感動を託すのは難しい。
だからこそ、どうか“まるごと”を残してほしいのです。
私にとって大屋根リングは、ただの建築物ではありません。
まだ見たことのない景色に出会わせてくれた場所です。
あの感動を、未来の誰かにも届けてほしいと心から願っています。
どうか、この思いが届きますように。

発起人 みれみれ
みれみれ -
- 大阪市 高校3年生
- 写真部所属
- 大屋根リングに心を奪われました